導入事例
食品製造業の備品管理・衛生管理記録の電子化事例
- 会社名
- デリカフーズ株式会社
- 設立
- 1984年12月
- 所在地
- 東京都足立区六町4-12-12
- 従業員数
- 470名(パート込み 2800名程)
- 事業内容
- ホール野菜の販売・カット野菜の製造販売等
- ホームページ
- https://www.delica.co.jp/
外国籍作業者にもわかりやすく複数言語で電子帳票運用、食品関連の備品・衛生管理に活用
会社紹介
デリカフーズ株式会社は「農業者」と「科学者」の目を併せ持つ「青果物の総合加工メーカー」である。 外食・中食産業、また一般消費者の方々向けに、日本全国365日、安心・安全な野菜を届けている。
産地からデリカフーズに野菜が届くまでは「農業者の目」を持って、生産者の方とともに、 おいしく栄養が詰まった野菜作りに取り組んでいるほか、届いた野菜は「科学者の目」を持って、保存、加工、包装、配送に至るまで、鮮度とスピードにこだわりを持ち提供を行っている。
その他、今まで蓄積してきた野菜の分析データを活かして、食べ方の提案やメニュー開発、セミナー等も実施している。
同社ではXC-Gateクラウドサービスを2019年12月に導入(2023年4月よりクラウド版XC-Gate.V3に移行)し、出退勤や備品管理の記録をはじめ、現場で使われるさまざまな種類の帳票を電子化している。この度、デリカフーズ株式会社 事業統括本部 統括製造トレーナーの松土様にお話を伺った。
インタビューにご協力いただいた方
★「トレーナー」の業務について
デリカフーズ社では「トレーナー」が製造部門と出荷部門にそれぞれ所属しており、品質管理室と協力して日々現場での衛生管理を行っている。帳票管理や工程/設備/備品のチェック、作業者の教育などが主な業務内容だ。
全事業所にトレーナー部門があり、統括製造トレーナーである松土氏は全国を巡回して仕事の効率アップや工場の衛生管理基準を上げられるよう、トレーナー業務の確認作業を日々行っている。現在はその活動の一環として、全国の事業所へ電子帳票が普及するよう推進している。
課題
工場では身だしなみチェック、備品チェック、センターの庫内状況の日報、返品伝票の依頼書など紙の帳票が毎日300枚ほど出ており、それらの紙帳票に対して発生する印刷・回収・貼りだし・仕分け・チェックなどの作業に200分もの時間がかかっていた。また帳票がすべて手書きのため集計も人が全て手作業で行うこととなり、トレーサビリティをとることも非常に困難であった。
その他、現場では使用する備品が未返却だったり紛失することもあり、その際にはトレーナーが30分以上備品を捜索することもあった。そのため備品貸し出し状況をいかに管理するかも課題となっていた。
XC-Gateを選んだ理由
電子帳票ツール選定に際してはXC-Gate以外の製品も検討対象となっていたが、既存の帳票はExcelベースで作成されたものが特に多かったため、Excel上で直接帳票作成ができて効率よく帳票の電子化がすすめられるという点でXC-Gateが選ばれた。
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【動画】帳票作成補助ツール「XC-Editor(エクシーエディター)」の紹介 |
「XC-Editor(エクシーエディター)」は、入力機能の選択、各種設定を直感的に行うことができ、お客様の帳票作成をサポートするツールです。 XC-Editorを使用すれば、帳票の作成からアップロード・プレビューまでを一貫して行うことができ、 XC-Gateの帳票作成業務がより効率化します。 XC-Editorの詳細はXC-Timesでご紹介しておりますので、ご興味のある方はご覧ください。 |
導入にあたっての工夫
導入前、XC-Gateの利用を想定している現場では、入力作業の手順を理解できるか不安、電子機器の操作が苦手といった作業者がいたほか、外国籍の作業者も多かった。
そのため、最初に抵抗感を持たれては運用がうまくいかないということを念頭に、各作業者に「私にもできそうだな」と思ってもらえるよう期間を1か月に定め教育を実施したという。教育期間中にマニュアルの作成や掲示物での周知、朝礼で実際に触ってもらうなど、現場での不安を極力取り除いたうえで導入に至った。
日本語以外でも複数言語の帳票を用意
外国籍作業者の中には日本語を話すのが得意でも文字を読むのが苦手な人も多かったため、帳票は日本語以外に英語、中国語、ベトナム語、タガログ語(フィリピンで使用される言語)の全五か国語で作成を行った。日本語の部分も親しみやすい言葉を使ったり、ひらがなで表記をするなど、全作業者が使いやすいよう工夫してスムーズな運用につなげている。
導入の効果
XC-Gateを使ってトレーナーが記入するもの、作業者が記入するものなど多岐にわたる帳票の電子化を実施したことで、これまで紙の帳票業務で発生していた印刷・回収・貼りだし・仕分け・チェック作業を削減し、合わせて実績のトレーサビリティもとれるようになった。
トレーナーによる従業員の身だしなみチェックの様子
トレーナーが現場を巡回し、各従業員の服装に問題がないかをチェック。こうした記録もすぐにデータ化され、管理工数の削減につながっている。
「紙のコスト削減はもちろんですが、実績をデータで残すことで、検索・トレース・集計を全てデジタルで行えるようになりました。電子帳票を用いて、監査やその他のエビデンスとしても役立てられるようになっています。」(松土氏)
現場での備品貸し出し記録
また、作業者が入力する工場の出退勤記録、入室管理記録と備品貸し出し記録を連動させ、備品を借りる前には必ず出勤の記録をつけ、退勤前には必ず備品返却の記録をつけるよう帳票の動きを制御している。これにより、備品の紛失や未返却が発生しなくなり、トレーナーがなくなった備品を探す時間も削減することに成功した。
備品にはQRコードがついており、タブレット横に設置されているリーダーでQRコードをスキャンすることにより、貸し出し記録帳票にも借りた備品の情報を自動入力することで記入ミスを防ぐなど、現場で入力する人が使いやすくなる工夫がここにも盛り込まれている。
今後の展開について
すでに複数業務での帳票電子化が進んでいる同社だが、今後も期限付き商品の管理、工程管理帳票などの電子化を進めていき、最終的には全体の8割にあたる帳票の電子化を目標としている。
他にも、使用する包丁は前もって撮影して刃欠けがないことを確認したうえで貸し出し・返却を行うなど、より安全安心な食品を提供できるよう、安全管理面においてもXC-Gateのさらなる活用を計画している。
デリカフーズ株式会社 松土様、ご多忙の中、貴重なお話をお聞かせいただきありがとうございました。