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導入事例

現場主導で帳票を電子化、作業時間21%削減につながった事例

会社名
カワソーテクセル株式会社
設立
昭和20年5月24日
所在地
〒550-0005 大阪府大阪市西区西本町1丁目7番10号
従業員数
148名(2025年3月現在)
事業内容
真空気密部品,水冷ヒートシンク,電力系資機材の製造販売
ホームページ
https://www.kawaso-texcel.co.jp/

検査帳票の電子化で現場に変革!作業時間21%削減とデータ活用の基盤を構築
~三宝サイトから始まった現場主導の帳票DXが全社展開の起点に~

会社紹介

カワソーテクセル株式会社は、1877年(明治10年)創業の老舗メーカーであり、碍子・架線金物・電線ヒューズなどの電力資機材を中心に製造する。今回取材を行った堺工場 三宝サイトでは、多品種にわたる製品の加工・検査・梱包を行っており、業務の複雑さが年々増していたため、現場改善の一環で帳票電子化を検討し始め、「XC-Gate」を導入するに至った。今回は、品質管理グループ 本田様、架線金物グループ 田中様、亀山様、ヒューズグループ 榊様に話を伺った。



カワソーテクセル株式会社XC-Gate導入事例資料ダウンロード

導入前の課題

同社では、工程検査表や設備停止記録をはじめとする帳票はすべて紙で運用されており、毎日の印刷・押印・回収・保管に加え、堺工場は三宝サイト・南島サイトと拠点が分かれており、物理的な帳票移動が発生。業務外の作業に追われてしまい、現場の業務を圧迫していた。1ロット20枚の紙帳票が必要で、月末には紙帳票の準備作業だけで1~2時間を要していた。帳票類の保管年数も長く、平均で5~7年の保管が必要とされていた。さらには、保管場所がバラバラなため、必要な書類を探すにも時間が掛かっていた。

同社では「Dash1/2活動」という改善活動を全社員で実施しており、「これまで当たり前のように行っていた作業が、実は非常に非効率だった」と語る担当者の気づきから、帳票電子化の検討が本格的に始動した。

導入に向けて

ツール選定では当然他社と比較した。他社ツールは予め用意されたサンプル帳票を用い電子化する案内に留まり自社の運用イメージとして腹落ちしなかった。 一方で、XC-Gateのサポートが良いと実感したのは、自分たちの作りたい帳票を基にした案内や教育方法を採ってくれたため、より自社の運用イメージが沸いたことが大きいという。 ツール検討者・ユーザーに寄り添った案内や教育を実施しており、導入後のサポート充実度にも大きな差があるだろうと考えたことが選定理由の一つになったそうだ。

導入に際しては、各部署からPC業務に慣れた若手社員を選出し導入チームを結成。紙帳票へのトライアル期間を設けながら、まずはヒューズ工程・碍子工程・品質管理部門の帳票から電子化に着手した。品質管理は製品数も多いので紙がなくなることを歓迎し、生産も特に抵抗はなかったそうだ。スモールスタートではなく、それぞれの部署が並行して意見をまとめることで浸透させていくことができたという。

導入効果

現場主導でスピーディに電子帳票を作成、属人化も解消

堺工場では非常に多くの品種を扱っており、検査表の種類も多岐にわたる。そのため、当初は導入チームのみで帳票を整備していたが、より迅速に展開するため、現場のメンバーにもXC-Gate専用の帳票作成補助ツール「XC-Editor(エクシーエディター)」の操作方法を共有。これにより、帳票作成の属人化を回避しながら、全体展開を加速させた。

XC-Editor(エクシーエディター)とは…
現場の紙帳票を電子化する「XC-Gate」というシステムで利用される、無料のExcelアドインツールです。Excelで作成した帳票に、電子帳票として機能させるための設定を、直感的に行うことができます。このツールを使うことで、XC-Gateの帳票作成が効率化され、帳票の作成からアップロードまでを一貫して行えます。

「一部帳票にはエラー表示機能を組み込み、現場での誤入力にもすぐ気づけるよう工夫した」と、現場担当者は語る。さらに、三宝サイトと南島サイトなど現場が物理的に離れているという制約に対しては、帳票の承認フローをワークフローと連携させ、スムーズな電子回覧を実現した。

 

紙運用から工数21%削減の改善効果

導入初年度において、XC-Gate導入による作業工数の削減率は21%に達した。これは、印刷・押印・帳票準備・回収・ファイル検索など、従来の紙運用に要していた作業時間を数値化し、その短縮分を効果として算出したものである。

特に大きな改善が見られたのは、拠点間の帳票共有である。これまで三宝サイトと南島サイトで帳票をやり取りする際は、電話・FAX・手渡しといった手段が必要であったが、XC-Gate導入により、システム上での即時共有が可能となり、物理的な移動や確認待ちの時間が解消された。

帳票運用の工夫

帳票の運用において、重複作業を防ぐための工夫として「デジタル化実施履歴」をExcelで管理している。
XC-Gateで電子化した帳票だけでなく、あらゆるデジタル化の取り組みをこの履歴にまとめることで、誰がどのファイルを作成したのかを一目で把握でき、二度手間のない効率的な運用を実現している。

現場起点の取り組み

帳票の電子化は、あくまで業務改善の“手段”であり、“目的”ではない。カワソーテクセルでは、XC-Gateの導入を通じて「現場が自ら改善を進める風土づくり」に成功しつつある。単なるITツール導入ではなく、日々の現場業務とデジタルを結びつけ、使いやすさを追求する姿勢が全社に波及している。

「データがその場で見られる」「押印がすぐに完了する」といった現場のリアルな声が、XC-Gateの活用価値を証明している。

今後の展開

帳票データの利活用で、生産コスト削減や連携強化を図る。同社では、堺工場における帳票電子化の実績を社内に展開し、他部署・他工場への水平展開を見据えた活動をすでに開始している。今後は帳票を電子化するだけでなく、蓄積された情報を分析・可視化し、生産性や品質の向上に役立てる取り組みへと進化させていく。「データを分析し、関係部署へ通達・共有することで、部門を超えた業務連携を生み出し、結果として生産コスト削減につながる」と担当者は語る。

XC-Gateは、そうした改善サイクルの中核を担うプラットフォームとして、さらなる活用が期待されている。

本田様、田中様、亀山様、 榊様ならびに当日取材にご協力いただいた皆様、
ご多忙の中貴重なお話をお聞かせいただき誠にありがとうございました。

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