製造現場の紙・作業工数を大幅削減した帳票電子化事例 | 現場帳票電子化ソリューション「XC-Gate」
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導入事例

製造現場の紙・作業工数を大幅削減した帳票電子化事例

会社名
日本航空電子工業株式会社
設立
1953年8月20日(昭和28年)
所在地
〒153-8539
東京都目黒区青葉台3-1-19(青葉台石橋ビル)
従業員数
9,436名(2023年3月末現在)
事業内容
コネクタ事業
インターフェース・ソリューション事業
航機事業
ホームページ
https://www.jae.com/

年間で8,600枚の紙、1,263時間の作業工数を削減し作業効率・生産性アップ

会社紹介

日本航空電子工業株式会社は、創業以来、『開拓、創造、実践』の企業理念のもと、独自の革新的、創造性に富んだ高い技術・開発力を背景に、「コネクタ事業」「インターフェース・ソリューション事業」「航機事業」の3つの事業をグローバルに展開・発展している。

 

「コネクタ事業部」は電気/光などの信号を接続する電子機器のキーデバイスであるコネクタを提供。高度で信頼の「つなぐ」技術で、進化するIoT社会を支えている。
「インターフェース・ソリューション事業部」は、車載用静電タッチパネルや産機関連のティーチングペンダントなどの「人と機器をつなぐ」製品を提供。
「航機事業部」は創業当初より追及してきた「モーションセンス&コントロール(動きを検出して制御する技術)」で、海底から宇宙まで過酷な環境下で作動する高精度な製品(ジャイロ、加速度計など)を提供。

 

「連結経営を基軸としたグローバルな事業展開」「グローバルマーケティングと技術開発力の強化」「品質・ものづくりの革新」を経営の基本方針として、ものづくりに注力している。
現在、同社 コネクタ事業部製造部にXC-Gate.ENTを導入しペーパーレス化、業務効率化、品質改善を推進している。
日本航空電子工業株式会社 ホームページはこちらから

この度、日本航空電子工業株式会社 コネクタ事業部 製造部 部長 中台 篤史様、製造グループ(モールド)チームリーダー 舘上 光輝様、仲野 幸司様に話を伺った。

 

課題

世間一般的に「ペーパーレス化」が広がっており、同社においてもまずは紙を減らすことから着手し始めた。当初は、使い慣れたExcel帳票にマクロ等を設定して運用していたが、同時に問題も発生したという。「一番都合が良いExcelの帳票でマクロ等を駆使して運用していましたが、そもそもExcelで作るとマクロとマクロの連結だとか、結構アクロバティックな帳票の中身になってしまっていました。」(舘上氏)

Excelのマクロの場合、作成者によってそれぞれの独自性がExcel帳票やマクロに現れることで、ただ単純に電子化された何かの作品のように抽象的になってしまい、様々な種類のExcel帳票があったが統一感がなかったのが課題だったと話す。

 

もう1つの課題として、設備の点検業務を紙帳票で運用した場合の作業ロスがあったという。設備毎に紙帳票が置いてあり、作業者がチェックするために現場まで行くという工数が掛かっていた。集計の際には各作業者が設備の設置場所まで行き、紙帳票を回収し上司に提出する、そして上司はその紙を見ながら確認、承認するという作業に年間でおよそ434時間掛かっていた。

舘上氏は、「作業者は、ものづくりに集中して携わりたいという中で設備の点検も非常に大事なため実施していましたが、作業のムダが多くあることが大きな課題でした。」と振り返った。

 

XC-Gateを選択した理由

課題を抱える中、帳票の電子化システムとして「XC-Gate.ENT(エクシーゲート エント)」を採用し、帳票のシステム化に着手した。XC-Gateを選んだ理由として、もともと使用していたExcelデータをそのままシステムに移行することができたこと、他社製品と比較した際にXC-Gateであれば初めてでも電子帳票を作成できる、帳票作成のしやすさを利点として挙げた。

 

また、ブラウザで入力ができるWEBシステムであるため、どのPCでもブラウザからアクセスすることでXC-Gateをすぐに使えることも採用に至った理由であると述べた。
その他にも、XC-Gateであれば複数の電子帳票間で連携ができ、汎用性を持つ特性から、帳票を作成・入力していくことで自分たちの理想像へのイメージ・ビジョンが広がっていく点を評価した。

 

XC-Gateの用途・活用している機能

同社では2020年3月に、製造部 モールドグループへXC-Gateを導入。現在は製造部全体へ展開し、複数の組立グループ、プレスグループ、モールドグループ、機工グループ、化工グループ、品質管理グループ等、様々なグループで設備点検表をすべてXC-Gateで運用している。

設備点検表だけではなく、各種履歴やチェックシートも電子化して運用。さらにはXC-Gateを基幹システムや他社ツールと連携させることで管理業務・入力作業の簡素化を実現。

 

パトライト社のAirGRID(R)も導入しており、成形材料乾燥機に設置しXC-Gateと連携させて設備が正しく稼働していたかどうかを記録している。

導入後の効果

ペーパーレス化によりモールドグループでは年間3,000枚の紙を減らすことができ、大きなコスト削減につながった。そして、承認作業や紙を見ながらのPCへの打ち直し作業などの工数も年間約516時間削減を達成。

製造部で実施している5S改善活動の定期巡回記録、改善記録も電子化して指摘・改善件数集計工数を4時間から0.5時間まで削減できたという。

業務フローの中に存在する記録帳票を電子化することで記録漏れやミスが画面上で分かるように工夫し、作業ミスの抑制に繋がった。
同社ではXC-Gateにあるメール送信機能を活用しており、実績を記録するだけで自動的に上司にメールで報告され、確認から承認までのプロセスのスピードアップも叶えることができたそうだ。

 

「操作が簡単であることから、デジタルツールに抵抗があった方でも参加でき、IoT関連促進のきっかけになりました。」(仲野氏)

導入後の苦労した点と解決策

「職場の業務フローの中にXC-Gateを取り込んでいくところや、実際に使う側の利用者の方々にメリットを感じてもらえるような帳票を作るところに苦労しました。」と仲野氏は振り返る。

帳票電子化システムを導入した後、単純に今まで使っている紙帳票を電子化するだけではなく、紙ではできなかった機能を付与する等、利用者に寄り添った電子帳票を準備することが、定着化のカギとなる。

 

今後の展開

これまでは、製造部 モールドグループを中心に帳票類の電子化、ペーパーレス化を進めてきた。第一段階として設備点検表を足掛かりとして製造部全体に電子帳票を展開している。

前述のモールドグループ以外でも年間5,600枚の紙の削減に成功した日本航空電子工業。これで、製造部全体としては年間8600枚の紙帳票、1263時間の作業工数削減を実現した。

 

今後のステップアップとして、教育強化、作業ミス防止、品質安定化を目的としたXC-Gateを活用した作業の標準化、記録のデータ化をさらに推進する。機械加工現場の段取り作業や設備・金型メンテ作業および品質保証部門の検査作業まで、XC-Gateで電子化することを検討しているそうだ。

作業を標準化してXC-Gateで記録することで、誰が作業しても同じ順序、同じやり方で作業することが可能となり、入力ミスを防止することにもつながる。XC-Gate入力画面にも工夫を施し、関連指示書の参照や作業方法・チェック箇所などをわかりやすく表示することで新人でも作業しやすい環境を整えることができる。昨今は、お客様からの要求事項として、製造工程における様々な作業に対してのエビデンスの確保が必須であるため、生産現場での記録作業が増加し続けている。

XC-Gateを活用して作業・記録のデジタル化を推進すると共に、外部ツールとの連携などを活用することで現場作業のQCDを高めて製造現場の最適化を図る方針を示した。

 

また、製造部でのデジタルツール活用について、中台氏は次のように展望を話す。
「設備点検表を単にペーパーレス化という効果だけに留めず、そのデータを活用していきたいと考えております。何月にどういった設備の修理をしたというデータを蓄積していき、どのくらいの周期でメンテナンスをすればいいのか、などデータの見える化を行うことで設備を止めることなく設備故障を予知保全することにより、生産性を上げて、製造部として生産数をアップしていきたいと思います。これが我々製造部としての一番の目標であり、ゴールでもありますので、こういったツールを利用して、どんどん生産効率を上げていくようなツールとして活用していくことがこれからの展開になってくると思います。」

 

帳票を紙からタブレットに置き換えるだけでは、紙コスト・作業工数削減のみに留まる。ペーパーレス化だけに留まることなく、ツールの活用により入力ミスの防止や新人教育への活用、QCDの最適化を目指す等、ペーパーレス化以外のメリットを見据えて活用を広げることが作業効率・生産性アップにつながっていく。

また、蓄積したデータを見える化し、次のアクションにつなげることで製造現場の業務改善効果をもたらすだろう。日本航空電子工業はXC-Gateの活用により、今後さらなる成長が期待される。

 

日本航空電子工業株式会社 中台様、舘上様、仲野様並びに関係者の皆様、
ご多忙の中、貴重なお話をお聞かせいただきありがとうございました。

今回の取材の模様をまとめたインタビュー動画も公開しております!ぜひご覧ください!

 

 

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