ジャムの製造・品質検査で紙帳票を年間6,700枚削減した事例 | 現場帳票電子化ソリューション「XC-Gate」
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導入事例

ジャムの製造・品質検査で紙帳票を年間6,700枚削減した事例

会社名
アヲハタ株式会社
設立
1932年
所在地
広島県竹原市忠海中町一丁目1番25号
従業員数
973名
事業内容
ジャム類をはじめとするフルーツ加工品の製造、販売および輸出入
ホームページ
https://www.aohata.co.jp/

製造・品質検査業務で紙帳票を年間6,700枚削減
~製品別での条件の自動表示、カメラによる検査の均質化を実現~

会社紹介

アヲハタ株式会社は1932年に広島県竹原市忠海で創業した食品メーカーだ。『フルーツで世界の人を幸せにする』をビジョンに掲げ、ジャム・フルーツソース・冷凍フルーツをはじめ、ジャム・スプレッド類を中心に製造・販売を行っている。「農産加工品の美味しさは、その原料によって7割が決まる」という信念のもと、目指す姿を「フルーツのアヲハタ」とし、フルーツの力を限りなく引き出すことで「おいしさ」、「楽しさ」、「やさしさ」を食卓に届けている。

同社では2022年にXC-Gate クラウドサービスを導入し、製造部門では備品チェックや機械の製造条件の点検などの各記録、品質保証部門ではジャムの開缶記録(※)を電子化している。

※開缶:出荷検査において、品質チェックを行うため瓶からジャムの中身を出すこと

今回は、ジャム工場 生産次長 日高様、生産第一 プラントマネージャー 上田様、品質保証グループ 濵野様、池部様にお話を伺った。

導入前の課題

製造工程では従来からCCP(重要管理項目)に関する記録をデジタルデータで残していたが、一方現場では紙の帳票も数多く残っていた。作業前に帳票を発行する作業や、冊子に閉じた紙の中から記入済み記録を探す手間、パソコンへの記録の転記ミスなどをいかに削減するかが課題となっていた。

また、工場内での記録、情報は様々な媒体で保存されているため、情報管理を一元化するためにも帳票類のデジタル化を検討することとなった。

XC-Gateを選んだ理由

これまで生産現場で使用していた帳票のほとんどがExcelで作られていたこともあり、XC-GateではExcelをもとに自身の手で帳票を修正して扱えることが大きなメリットとなり導入に至った。加えて、既存の生産系システムと帳票の内容を連携したいという希望があり、そのシステムに関する支援を行っている商社がXC-Gateを取り扱っていることも導入に向けた後押しとなった。

運用開始までの取り組み

XC-Gateの導入にあたり、まずは紙/Excelで運用されている帳票の全体量、続いて帳票で点検内容が重複している部分や点検頻度などを調査した。全体量を把握した後は、①XC-Gateを使用するもの②Excelのまま使用するもの③スプレッドシートを使用するもの④紙のまま使用するもの、の4つにカテゴリを分け、電子化対象となる帳票の洗い出しを行った。

その後はXC-Gate用の帳票作成や記入者のXC-Gateへの慣れなど課題があったものの、運用する中で操作する人の声を聴きながら改善を行い、作業性の向上を進めていったという。

導入効果

生産部門での活用

生産部門では、56種類あった帳票のうち、31種類の帳票をXC-Gateで電子化した。紙帳票の年間使用枚数に換算すると、従来8,300枚あった紙帳票のうち、約80%にあたる6,700枚分の紙を削減し、関連作業も減らすことに成功した。

また、管理表の審査・承認作業では承認ワークフロー機能を使用している。これまでは記録の審査を依頼するたびに紙の管理表を持ち運ぶ必要があったが、承認ワークフロー機能を使うことで離れた場所からでも管理表の審査や承認を行えるようになり、管理表の持ち運びが不要になった

帳票入力においては、現場でのチェック漏れ防止のため、入力した内容に対して自動でしきい値チェックを行っている。またExcelのVLOOKUP関数との組み合わせで、製品を選ぶとそれに応じたしきい値・設定値が表示されるようにすることで、現場作業者が作業内容そのものの入力に集中しやすい帳票となったほか、しきい値などが少しずつ異なる製品一つ一つに対して別々のフォーマットを作る必要もないため、帳票作成の手間低減にもつながっている。

品質部門での活用

品質保証部門が担当する出荷検査でも、製品ごとの規格に応じた自動しきい値チェックが可能となった。また出荷検査では、瓶に入ったジャムの中身を出して粘度や外観をチェックする「開缶検査」という作業があり、XC-Gate導入後はジャム表面の写真をタブレットのカメラで撮影して検査記録に紐づけて保存している。ジャムの表面に果肉が浮いていないかなど、担当者の感覚によって差が出やすい検査項目も、写真で状態を可視化することで検査基準のばらつきを防ぎやすくなった

今後の展開

生産計画を立てる場面、原料の受入から管理までを行う場面ではまだまだ各担当者に作業をゆだねている部分があるため、今後はシステム化による属人化の解消を目指している。

XC-Gate導入によって帳票の入力結果がデータとして残るようになってきているため、今後は既存の製造管理システムのデータや製造設備のデータも合わせて一元管理を実現し、製造管理に役立てていきたいという。

様々なデジタルデータを連携し、担当者自身がデータを見て行動できる仕組みづくりに向け、同社のデジタル化推進の取り組みは続いている。

アヲハタ株式会社 ジャム工場の皆様、ご多忙の中、貴重なお話をお聞かせいただきありがとうございました。

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