保全記録の一元管理・生産実績のリアルタイム反映を実現した事例 | 現場帳票電子化ソリューション「XC-Gate」
本文までスキップする

導入事例

保全記録の一元管理・生産実績のリアルタイム反映を実現した事例

会社名
株式会社サクラクレパス
設立
1921年(大正10年)5月29日
所在地
大阪府大阪市中央区森ノ宮中央 1-6-20
従業員数
1,600名(グループ計)
事業内容
文房具分野描画材料・筆記具から最先端の事務用品・学用品にいたるまで、人々の暮らしを豊かにする商品の企画・開発、製造販売
ホームページ
https://www.craypas.co.jp/

バラバラだった設備管理のデータ一元化を実現、 生産実績はデータ連携で生産管理システムへすぐに反映

会社紹介

株式会社サクラクレパスは、社名の通り「クレパス」を開発した総合文具メーカーだ。1921年(大正10年)に「日本クレィヨン商會」として創業、「教育・文化に貢献すること」を社是に掲げ、教育現場にふさわしい文具の製造と販売を続けている。クレヨンとパステルの長所を兼ね備えた「クレパス」のほか、水加減の調整によって透明水彩と不透明水彩を自在に表現できる「マット水彩」、クレヨンの発色と色鉛筆の描きやすさを活かした「クーピーペンシル」、名前書きに特化した「マイネーム」など、寿命の長い製品を扱っている。

同社では2021年4月にXC-Gateを導入し、製造部門での作業日報入力や、技術部門での設備保全記録や部品の管理、物流部門での入出庫管理などに使用している。

今回は生産管理部 生産管理課 大滝氏、技術開発部 技術課 宮下氏、石原氏、大阪工場 第一科 金澤氏にお話を伺い、設備保全製造の業務それぞれにおける活用事例を紹介する。

導入までの経緯

上記のような製造現場での課題を解消するために日報ペーパーレス化のツールを探していたところ、以前情報収集していた際に見つけたXC-Gateが候補として挙がった。

XC-GateはExcel上で帳票の作成や修正を行うため、誰でもカンタンに帳票を作ることができる点、様々な状況・現場・工程で使えて汎用性が高い点が評価されて導入に至った。

設備保全:設備台帳、保全記録における改善

【課題】設備管理は台帳、メンテナンス記録などで管理方法がバラバラ

同社の技術開発部 技術課では、工場内の機械の制御設計や組み立て、保全を担当している。 XC-Gate導入以前は、工場内に古くからある設備の情報が少なく十分に管理ができていなかった。工場内の設備台帳を紙ベースで運用しており、設備メンテナンス記録もそれぞれ個別のExcelファイルに入力を行っていたため、更新や集計が手間になっているなど、設備情報がまとまっていないことによる管理のしづらさが問題となっていた。

【効果】設備情報・保全記録のデータ化で、設備台帳からいつでもアクセス可能に

技術課の設備管理業務では、設備に関する各データをXC-Gateに集約することによって、設備を一括で管理できるようになった。タブレットでメンテナンスの記録や設備情報を更新すると、設備台帳にも自動で履歴データが反映される。設備台帳からは「部門」「工程」「設備名」などの条件で履歴をいつでも検索できるようになり、設備ごとの詳細な保全記録を見たい場合は機種名の横にあるリンクボタンからすぐにチェックすることも可能だ。

「詳しいことはリンクタグで帳票に移動して見られるようになったので、設備台帳としても機能が活発に使われるようになったことが良かった点です。」(宮下様)

また設備ごとの写真と設備名をセットでデータ化することで、これまで管理が十分に行き届いていなかった古い機械なども含めて取りこぼしなく管理ができるようになり、初めての人でも「この設備が何なのか」というのが一目でわかるようになったという。

製造:生産実績のリアルタイム反映

【課題】生産管理システムへの転記作業の負荷が高く、実績データの反映も遅い

 

主要製品の製造を担う第一科内では、一日に約40件の日報へ手書きで製品の製造記録を行っている。日報に記入した製造実績は、データ化するために後から生産管理システムへの転記作業を行う必要があった。 就業時間中は日報を記入し、残業時間中や、翌日にパソコンへ向かい一つ一つ転記していたため、作業時間もさることながら製造実績がデータとして反映されるまでにも時間を要しており、製造実績が翌日にならないと確認できないこともあった。加えて転記作業のために移動時間も発生していたほか、日報記入時の計算ミス・転記時の入力ミスなどのリスクがあるため、正確な実績を残すための労力も必要だった。

【効果】帳票の実績をそのまま生産管理システムに反映し、当日の生産実績を見える化

第一科では、絵の具の充填工程、充填された絵の具をセットにする仕上げ工程で、XC-Gateを使った入力を行っている。

大きな課題になっていた生産管理システムへの転記作業は、日報で入力した「製造した製品の数量」「使用した部材数」「作業時間データ」などのデータを生産管理システムへ自動反映させる仕組みにすることで解決に至った。(連携方法は後述)

また、数値の計算などで発生していたミスも、XC-Gate帳票上で異常値が入力されると色を変えて表示させるなど、その場で入力間違いに気付けるような帳票の作りにすることで防いでいる。

「タブレットで入力ができることで、作業実績を入れる時間が大きく短縮されました。(これまでは)翌日の朝に前日の実績を入力していたのが、当日実績入力されるので、その日のうちに作業実績を見ることができるという効果がありました。」(大滝氏)

生産管理システムとの連携フロー

XC-Gateでは外部データベースの値を取得して帳票上に表示できる「※SQLタグ」というオプション機能があり、この機能を用いて生産管理システムからの作業指示を直接帳票に表示させるようにした。

※SQLタグオプションの詳細についてはこちらをご覧ください(別サイトに遷移します)

一方、XC-Gateから生産管理システムへの実績反映については、入力実績を一度Excelファイルとして出力し、それを同社で作成したプログラムにより生産管理システムがそのまま取得できる形のCSVに変換・出力、それを生産管理システムが取り込むことで帳票からのデータ反映が可能となった。

苦労・工夫した点

現場の作業者にとっては初めてタブレットで日報を入力することとなり、当初は帳票の動きや機能に対して様々な要望があった。様々な人の意見を聞きながらすぐに修正をしていくことで、みんなが使いやすいと感じる帳票を作り上げていった。

連携部分については、XC-Gateは標準機能で実績のCSVファイルを出力できるが、そのままの形では同社の生産管理システムに取り込むことができず、試行錯誤を重ねた。 最終的には、Excelから生産管理システムが取り込める形のCSVに加工するプログラムを同社で作成し、XC-Gateの「リアルタイム連携オプション(※)」でそのプログラムを起動することで、即時性の高いデータ連携が実現した。

※リアルタイム連携オプション:XC-Gateでの実績登録時に、XC-Gateサーバー内のバッチファイルを起動できるオプション機能。
  リアルタイム連携オプションの詳細についてはこちらをご覧ください(別サイトに遷移します)

今後の展開

XC-Gateと生産管理システムを連携する口ができたので、在庫処理の作業や、その他今までパソコンでなければできなかった作業を、タブレットを使って現場で行っていけるようなシステムづくりに取り組みたいという。

また、近年製造現場にデジタル技術が入ってきたことにより、様々な環境でデータの収集・出力ができるようになった。その結果、色々な場所に色々なデータがあるため、それらのデータを集めてどう利活用していくかが課題となっている。 今後はXC-Gateを使ってより多くのデータベースからデータを収集し、より現場に近いところで集めたデータの見える化を行うことも検討している。

株式会社サクラクレパス 大滝様、宮下様、石原様、金澤様、ご多忙の中、貴重なお話をお聞かせいただきありがとうございました。

今回の取材の模様をまとめたインタビュー動画も公開しております!ぜひご覧ください。

 

資料ダウンロード お問い合わせ