化粧品の工場で検査・生産管理板を電子化した事例 | 現場帳票電子化ソリューション「XC-Gate」
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導入事例

化粧品の工場で検査・生産管理板を電子化した事例

会社名
株式会社桃谷順天館
設立
1885年6月
所在地
大阪府大阪市中央区上町1丁目4番1号
従業員数
387名
事業内容
化粧品、及び医薬部外品の製造、販売及び輸出入・健康食品の販売及び輸出入
ホームページ
https://www.e-cosmetics.co.jp/

ペーパーレスから取得データの利活用へ~DXへの第一ステップとしてXC-Gateを運用~

 

 

 

会社紹介

 

桃谷順天館は創業1885年の化粧品メーカーだ。薬種商を営む創業者 桃谷政次郎がニキビに悩む妻のために創った1本の化粧水「にきびとり美顔水」が始まりとなり、創業者の「人の悩みを解決したい」という強い信念を現在まで受け継ぎ、『人と地球の美しい未来を創る For Beauty and Well-being』をパーパス(目標)に掲げ、お客さまに美と健康を届けている。

自社で4つの研究所と工場を持ち、化粧品・医薬部外品の商品企画から製造販売までを自社一貫体制で行っている。あらゆるものが目まぐるしく変化する時代において、固定概念や過去の経験、実績にとらわれない新たな発想、スピーディな改革が必要だとグループ全体で共通認識として持ち、各々が考え行動し、様々な施策へのチャレンジを続けている。

同社では2017年にXC-Gateを導入し、充填・包装作業記録から電子化をスタートした。以来工程内における様々な帳票の電子化を進めており、2024年2月時点で合計8つの用途においてXC-Gateを活用している。

今回は岡山工場 副工場長 川村様、生産技術 溝手様、大谷様にお話を伺った。

導入前の課題

従来の紙の製品記録書では、記入ミスや記入漏れのチェックのため、複数人での確認作業を実施する必要があったほか、承認のための回覧に膨大な時間を要していた。紙の記録は10年もの間保管する必要があり、保管作業や保管場所が必要となっていたうえ、過去の記録書を確認する必要がある場合は書庫にある大量の書類から該当の記録を見つけ出さなければならなかった。段ボールいっぱいに詰め込まれた紙はとても重く、棚の高い位置から段ボールを降ろしたり、逆に持ち上げたりする必要があるため作業者の体にも負担がかかってしまう作業となっていた。

紙で運用することにより、データ化を行う際の無駄も発生していた。 検査時に紙へ書いた内容は後から社内の基幹システムに転記したり、改善活動を行うときのデータ取りでは、さらにそのデータをExcelで集計しなおす手間も発生していた。

XC-Gateを選んだ理由

上記課題を解決すべく、ペーパーレス化ツールとして様々なシステム、アプリケーションを検討していた中の一つとしてXC-Gateを知った。元々Excelベースだった帳票のフォーマットをそのまま生かすことができた点、現場担当者でも容易に帳票の作成や編集ができる点、他製品と比較して価格もリーズナブルであったことからXC-Gateの採用に至った。

導入後の課題解決・運用効果

確認・転記工数を年間400時間削減、過去記録はトレーサビリティが取れるように

XC-Gate導入により、年間およそ8,000枚の紙の削減に成功した。

課題となっていた過去の製品記録書を探す作業については、記録がデジタル化されたことで探す時間の短縮につながったほか、重い段ボールを降ろしたり持ち上げたりする必要もないことから、作業者の体にかかる負担も合わせて軽減することができた。

「製品記号や製造番号などをもとに、検索ツールを使って簡単に(製品記録書を)見つけることができるようになり、工数削減にもつながっています」(溝手氏)

【生産ライン(充填・包装)】生産管理板の電子化で、どこからでも進捗管理

充填・包装工程では従来ホワイトボードの生産管理板に時間ごとの作業進捗を手書きで記録していた。そのため管理者が進捗を確認するにはその都度作業現場にホワイトボードを見に行かなければならなかった。XC-Gateを使って生産管理板を電子化することで、充填・包装作業記録に入力された実績が自動的に生産管理板へ反映されるようになり、わざわざ現場へ移動することなく、どこからでも進捗管理ができるようになった。

毎日の製造予定はCSVファイルでXC-Gateにインポートすることにより、生産管理板に自動で表示される。生産管理板の画面では、インポートした製造予定と実際の作業実績から進捗率を自動算出したり、作業遅延が起こった部分を赤く表示させることで、遅れが発生した場合も素早く気付き、すぐに是正処置が行えるようにしているという。

【受入】【最終検査】システム連携やワークフロー機能で確認作業の効率改善

充填、包装工程以外にも、受入や最終検査などでもXC-Gateの活用は進んでいる。受入工程では基幹システムからSQLタグを用いて入荷情報のリストを取得することで入荷一覧・検査記録を一元化できるようになり、手元でスムーズに新規原料・材料の入荷日が確認できるようになった。

SQLタグについてはこちら

一方、出荷前最後に行う最終検査記録では、記録後にXC-Gateの承認ワークフロー機能で承認依頼を行い、最終承認が下りたタイミングで自動的に出荷判定を行える仕組みを構築した。このように単なるペーパーレス化の枠を超えた活用も行い、各工程での確認、承認など手間がかかる作業の効率化につなげている。

XC-Gate運用のポイント

現場で使いやすい帳票づくりへの取り組み

XC-Gateの導入時、記録媒体が紙からタブレットに切り替わることで入力の手間が増えたと感じられないよう、従来は電卓を使って計算していた数値欄を自動計算できるようにしたり、入力する内容がある程度決まっている場面では選択式にしたりするなど、入力が簡単に行える帳票づくりを工夫したという。

紙の帳票では用紙サイズの制約から、作業の流れとは異なる順番で入力項目をA4用紙に敷き詰めていたが、XC-Gateではフォーマットサイズの制約がないため、作業の流れに沿った分かりやすい帳票を作成することもできた。

記録の正確性・透明性アップを目指して

化粧品業界では記録のトレーサビリティの観点から、常に作業の担当者を特定できる必要がある。XC-Gateでは製造現場で確認事項があった場合、電子サイン機能を使うことでリアルタイムに担当者の情報を残せるようになった。加えてラインの装置に表示された製造数などを撮影してそのまま帳票に貼り付けることで、記録の改ざんを防止したり、タイムスタンプで承認時間を正しく記録するなど、記録の透明性の確保にもXC-Gateは貢献している。

今後の展開

ペーパーレスから始まったXC-Gateの運用は、同社の工場スマート化に向けた第一歩となった。XC-Gateによって手書き記録のデータ化(デジタイゼーション)を実現できたことをきっかけに、その後は他のシステム導入にもつながっている。

現在は次なるステップとしてデジタルデータの活用(デジタライゼーション)を目指しており、XC-GateにおいてはPLCを使った稼働実績のリアルタイム取得による記録精度の向上、オペレーターの進捗管理負荷削減のほか、自動グラフ化やデータ分析による運用改善のスピードアップを検討している。

川村様、溝手様、大谷様、ならびに取材にご協力いただいた皆様、ご多忙の中、貴重なお話をお聞かせいただきありがとうございました。

 

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